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どうしても“固定残業代”を導入したいなら

正直、申し上げて私は敗訴のリスクが高いため現在は“固定残業代”制度はクライアント先にはお勧めしていません。

詳細は添付のハローワークの資料写真をご覧ください。

しかし、業務の都合上どうしても導入したい会社様へのアドバイスとして書きます。

なお、今の若者の間には固定残業代=ブラック企業という認識があることもお忘れなく!

・手当の中に固定残業代が含まれている場合は、何時間分の割増賃金が含まれているかを明確にする。

【例:毎月20時間分の残業代を固定支給の場合】

(基本給+諸手当)÷(1ヶ月の所定労働時間)=A(時給額)

A×20時間×1.25(法定割増率)=B

20時間分の固定残業代≧B

というようにBを上回っていることを明記しなければいけません。

【メリット】

残業代集計の手間が省けて給与計算業務が簡便になる。

毎月の人件費の目安が把握しやすくなり、経営計画のめどが立てやすい。

【デメリット】

たいてい、固定残業代に移行すると基本給が下がる傾向にありますので、社員からの反発が起こります。

導入に際しては、丁寧な説明を行い、社員との合意形成は不可欠です。

なぜなら、給与体系を変えることは“労働条件の変更”になるからです。

また、あまりにも長時間の固定残業代を含めていると労働基準監督署に目を付けられ、臨検が入って是正勧告を受ける可能性が高くなります。

三六協定の限度基準の45時間/月を超えるような設計はやめましょう。

また、手前味噌ですが、“給与計算代行”や“賃金制度設計”も社会保険労務士の仕事です!