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安易な“クビだ!”発言はトラブルのもと

未だに“昭和時代”を引きずる経営者や管理職の中には安易にクビ発言する人いますが、トラブルのもとなのでおやめください。

“解雇”は無闇に行えるものではありません。解雇は会社からの一方的な雇用契約解消なのですから。

■解雇の手順

・就業規則に解雇事由を明記する。

・解雇事由に当てはまる言動の有無の確認。

・解雇回避努力(教育・指導・研修・訓練の実施等)

→それでも解雇事由が改善されない

・これまでの指導記録等を見せ、自主的に退職するように促す(退職勧奨)。

→退職勧奨に応じてくれた場合は退職とし、拒否した場合は解雇に処す。

※後々の裁判に備える意味でも退職や解雇に至る一連のやり取りを記録に残しておくこと。

※退職勧奨はあくまでも退職を促す行為であるので、相手がノイローゼになるくらい追い込んだり、強要してパワハラと受け止められるようなことはしないこと。

■整理解雇の手順

整理解雇とはm【業務の縮小等】による人員整理のことです。

整理解雇を行うには条件を満たさなければなりません。

・経営上の必要性の有無(単に余剰人員が出たから人員整理をしたいなんてのはアウト)

・解雇回避努力の有無(経費の削減・役員報酬カット新規採用の抑制などの努力)

・人選に合理性はあるか(会社への貢献度・人事評価・扶養親族の有無などを考慮する)

・手続きの妥当性(説明が不十分なま整理解雇に踏み切ると反発を招く)

※正社員であるか否かという“雇用形態による違い”での人選は危険です。

■懲戒解雇の手順

懲戒解雇は懲戒処分で最も重い制裁ですから事由も含めて就業規則にきちんと明記し、社員にも周知徹底をしましょう。

懲戒解雇事由例→無断欠勤が14日以上・重大な服務規律違反・職場内での暴力や脅迫行為・誹謗中傷等の会社に対する名誉棄損行為・採用時の経歴詐称・業務上の横領、窃盗、着服・職場外での非違行為・機密情報の漏洩など。

懲戒事由に当てはまる行為があった→事実確認と共に本人に聞き取りを行う→定めた懲戒処分の手続きがあれば、それに従う→行為・頻度・会社の及ぼす損害を検討し審議する→懲戒処分のルールに反しないことを確認する。

※本人に反省の色が濃く諭旨解雇に同意すれば退職届を出してもらって諭旨解雇にします。

■解雇の手続きと解雇制限

解雇は解雇予告を解雇予告手当を支払うかをしないといけません。

解雇予告→解雇する日の30日前までに通告する。

解雇予告手当→30日分の急を即金で支払えば即時解雇も可能。

※解雇予告は書面と口頭どちらでも可能とされていますが、後々のトラブル回避のために書面を交付し残しておくのが無難です。

※また、現実に解雇予告をしたものを普通に働かせるのは難しいので、休業手当を支払って自宅待機させるというのもありです。

解雇制限→業務上の災害(いわゆる労災)によって休業している期間とその後の30日間及び産前産後休業期間とその後の30日間は労働基準法上解雇はできないことになっています。

ただし、労働基準監督から“除外認定”を受けたときは、解雇制限はなくなり、解雇予告も解雇予告手当も不要になります。

あくまでも【労働基準監督署の除外認定】を受けた場合だけですよ!

*納得できないという理由による“解雇トラブル”は後を絶ちません。

訴訟になれば1年くらいの時間と数千万円他印の出費が会社の負担になって圧し掛かります。

もし、解雇を検討されるならば独断せずに、社会保険労務士か弁護士に相談されることをお勧めします。