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退職時の“公的保険手続き”と“退職理由”

■退職時の手続き(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)

1.再就職するかしないか→再就職先が決まっていて離職票を希望しない場合は会社は雇用保険の被保険者喪失手続きをして預かっている雇用保険被保険者資格証を返却する。

社員が退職をして再就職先を探す場合は、失業等給付の受給に必要な離職票を発行する。

離職票の発行は資格喪失手続きと同時にハローワークで行う。

2.健康保険と厚生年金保険の手続き→健康保険被保険者証(一般に保険証と呼ばれるもの)を被扶養者分を含めて会社に返却してもらう。

会社は健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届と一緒に被保険者証を年金事務所に提出します。

再就職をされた場合は通常、再就職先で資格取得手続きを取ります。

再就職されない場合又は社会保険加入条件を満たしていない場合は、お住いの市区町村で国民健康保険と国民年金に加入するのが一般的です。

*健康保険には“任意継続被保険者”というせいどもあり、国民健康保険に加入するのとどちらが得かは一概には言えませんので、退職予定がある人は社会保険労務士に相談してみるとよいでしょう。

■退職理由で内容が変わる失業等給付

失業等給付は一般的には失業手当と呼ばれているものです。これは、退職の理由で中身が変わってきます。

・自己都合退職(懲戒解雇含む)→7日間の待期期間+3ヶ月間の給付制限期間経過後から最大150日分を支給。

・会社都合退職(特定受給資格者及び特定理由資格者)→7日間の待期期間後に最大330日分支給。

■特定受給資格者の条件例

・会社の倒産や事業所の廃止

・大量の人員整理

・懲戒解雇以外の解雇

・労働契約相違による離職

・一定要件の賃金不払い

・賃金の大幅な減額

・一定要件の長時間労働

・妊娠、出産、介護を理由とした不利益な取り扱いによる退職

・職場のセクハラ、パワハラ、マタハラの放置による退職

・有期雇用の不合理な雇止め

・退職勧奨

・長期間の事務所都合の休業

・会社の法令違反

■特定理由資格者条件例

・有期雇用契約期間満了に伴う退職

・体力不足、出産、育児、家庭の事情の急変による退職

・結婚、育児、異動による家族との別居回避のための退職

・整理解雇

*個別事案になりますので詳細はハローワークに確認しましょう。

※退職理由は超重要

従業員の6%かつ4人以上の特定受給資格者を出すと1年間助成金の受給が出来なくなります。

20人の会社なら1人までです。

現実にはハローワークで会社の退職理由に異議を申し立てている人は多数います。

会社が離職票に書いた退職理由が必ずしも認められるわけではありませんので注意が必要です。