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“おもてなし”や“感動サービス”という罠になぜ陥るのか?

私は会社員のほとんどをサービス業で過ごしました。

そして顧客もサービス業が多いです。

社会人時代から常々、おもてなしに代表される“過剰サービス”に疑問を抱いていました。

それは、費用対効果が釣り合っていないのではないか?と私自身が過剰な歓待を受けることが好きではないからです。

そんな時に、ツイッターでフォローしている大阪の経営コンサルタントの服部慎也さんの投稿が目に留まったのです。

「おもてなし幻想」という本で著者は日本のマーケティングの第一人者の神田昌典さん、読むしかない!と読み始めました。

400ページのハードカバーという大書ですが、データが豊富にあり、自分の仮説を確認できるので面白く読んでいます。

そして、多くの企業が歓待に対して誤った認識を持っていることが本書で明らかになっていきます。

今日はその第1章まとめから抜粋します。

1.サービスチャネル(サービス経路)で顧客を喜ばせることは割に合わない。期待を上回るサービスをされた顧客のロイヤルティ(企業に対する忠誠心)は、期待が満たされただけの顧客の忠誠心よりほんの僅か(12%)高い程度だ。

2.カスタマーサービスが促すのはロイヤルティではなく、ディスロイヤルティ(非忠誠心)。

平均的なサービス・インタラクション(相互作用)が顧客のロイヤルティを下げる可能性は、ロイヤルティを高める可能性の4倍ある。

3.ディスロイヤルティ緩和の鍵は“顧客努力の低下”である。

企業は、問題を解決するために顧客に課される作業量を減らし、喜びを与えるサービスではなく、より手間のかからないサービスに注力すべきだ。

これには、“情報の繰り返し”や“再問合せ”の必要性、“チャネル転換、転送、画一的な対応の回避”が含まれる。

*それでも貴社は戦略を見直しませんか?