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処方する前に診察をしていますか?

■自分の善意を押し付けていませんか?

画像は来春から始まる働き方改革の内容です。

コンサルの中には、貴社の現状を考慮せずに杓子定規に改定を推し進める人がいるかもしれません。

しかし、コンサルティングという言葉の語源は“診察する”ということです。

立派で豪勢だけど絵に描いた餅の如く食べられないものでは無意味ですし、組織の血肉にもなりません。

しかし、多くのコンサルは、自分たちの手法こそが一番と強引にサービスや考えを押し付けがちです。

そんな人や会社を有名だからとか、実績あるからという理由だけで信用してよいのでしょうか?

私も昔は、何でこんなに素晴らしい商品が売れないんだ?と他罰的になったことがありました。

しかし、そんな態度では売れなくて当然なんです。思い上がりも甚だしいのです。

“自分にとって良い商品やサービスでも先方には真逆かもしれないのです”よ。

■相手の本心を知らずして商品を売ることも、組織改革することも出来るわけがない。

社長が時流に乗ってわが社も残業は禁止だと言えば現場は猛反発するか、混乱するでしょう。

そもそも、社長は自社の業務量を把握していますか?

人の行動には必ず理由があるのです。

残業が一向に減らないとしたらどこかに“ボトルネック”があるのです。

・例えば、現場を無視した量の注文を営業が取ってくる。

・納期を無視した安請け合いを社長がしてくる。

・業務が属人化していて、その人次第で終わりが決まる。

・意味不明な、結論のでない会議が多い等々。

働き方改革なら

・そもそもの基本給が低いので早く上がりたくない、残業代が欲しい。

・人件費削減よりも、社員の主体性を向上させたい。人材育成をしたい。

・人事評価で処遇を決したい等々。

お客様なら

・私は、過剰サービスやおもてなしよりも、放っておかれたいタイプなのだ。

・そんな気遣いよりも安くしてくれ。

・お金なら払うから手取り足取りサービスしてくれ。

・納期は急がないから丁寧に作ってほしい等々。

 

※当たり前ですが、神でもない限り、相手の心を覗き込むなんて不可能。

故に“以心伝心”なんてあり得ない。

にもかかわらず、日本人は相手を知ることを避けてきた。

相手の要望が分かっていないのに勝手に助言して自己満足する人もいる。

医者は処方箋を出す前に必ず、検査や問診を行う。

この当たり前のことがなぜ対人関係や、対ビジネスではできないのだろうか?