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麒麟が現れるよう努めることが統治者の責務

■徳の象徴【麒麟】と言われるが、その徳とは?

今年の大河ドラマの麒麟が来るは私が最も好きな戦国時代の中盤から終盤なので今から楽しみです。

麒麟とは善政が行われているときに現れると言われる伝説の動物で、徳の象徴と言われます。

その徳とはなんなのか?

徳とは、「卓越性、有能性でそれを所持する人が、そのことによって特記されるもの。人に備わって初めて徳は善き特質となる。人にとって均整の取れた精神の在り方を指すもの。徳は天分、社会的経験や訓練によって獲得し、善き人間の特質となる。」

徳を備えた人は【信頼】や【尊敬】を獲得しながら、【人間関係構築】や【組織運営】を進められる。

気品・意志・温情・理性・忠誠・勇気・名誉・誠実・自信・謙虚・健康・楽天主義などが徳とされます。

徳は【統治者】としての資質や自然万物を育成する力の象徴とされました。

■儒教での徳

我が国は古代中国の思想を過分に受けています。

故に儒教の考えを知ることは重要です。

儒教では徳をさらに五徳と分け、孝・梯・忠の実践としました。

【五徳】

・仁…他人に対する親愛の情、優しさ。

・義…人の正しい、善いとされる行動。善人とは「堅く正義を守る人。我が身の利害を顧みずに他人に尽くす人」のこと。

・礼…人間関係を円滑にするための動作、言行、服装などの規定の総称。

・智…道理をよく知り得ている人。知識豊富な人。

・信…友情に厚く言明を違えないこと。真実を告げること。約束を守ること。誠実であること。

【孝・梯・忠】

・孝…親に忠実に従うこと。

・梯…兄や年長者に従うこと。

・忠…主君に対し裏表ない態度であること。武士道形成に最も影響を与えた思想。

※現代ではどうかなという面もありますが、これらの思想が軍国教育、富国強兵に悪用されてしまったのは明白ですね。

■西洋における徳の概念

西洋思想における徳の概念は、「思慮・叡智・正義・忍耐・勇気・節制」となります。

こういった面でも東洋とは精神的に異なることが分かりますね。

徳のある善政を行わなければ麒麟は現れず、横暴な統治を行っていれば守護神の九尾の狐が暴れて政権転覆を図られると、大いなる力に昔の人が畏怖し、善いマネジメントに努めたことは見倣いたいえすよね。