
100分de名著「貞観政要」の4回目の最終回は、次代に引き継ぐや守成がテーマでした。
その中で先ず、有終の美を飾れない10の理由が面白かったので共有します。
■有終の美を飾れない10の理由
- 馬や宝石等を買い集め異民族から軽蔑される
- 人民を軽々しく肉体労働に徴用する
- 大宮殿を作りたがる
- 小人に親しみ、徳のある人を遠ざける
- 商工業を重んじて農業をお疎かにする
- 自分の好き勝手で人材を登用する
- 狩猟などの娯楽に興じる
- 臣下への態度がいい加減である
- 傲慢で欲望を自制できない
- 大災や謀反への備えが疎かである
※唐の皇帝のことなので現代的に解釈すると「見栄を張る」「部下を使用人のように使う」「分不相応な家に住む」「お調子者やイエスマン、取り巻きを優遇する」「本業を疎かにする」「依怙贔屓をする」「ゴルフやギャンブルや夜遊びなど遊びに興じてばかりいる」「部下には偉そうにしている」「わがままである」「リスク管理やリスクコントロールをしていない」と言い換えられます。
でも、実際はどうですか?
社長と持ち上げられると気分良くなって天狗になって自分を戒めることが疎かになってしまうものではありませんか?
■リーダーに求められるのはインテグリティ(誠信)である
「貞観政要」のなかには、“君主は船であり、人民は水である”という一文があります。
水は船を浮かべてくれるものですが、場合によっては転覆させることもします。つまり、トップだからと驕ることなく下の者の状況に注意を向けよという戒めの言葉です。
で、インテグリティとは邦訳すると「正直さの実践と共に、高い道徳・倫理的な原則と価値観を持って一貫し、妥協なくそれらを遵守する振る舞い」のことで言行一致しているということです。
欧米世界ではリーダーに求めらっる資質はインテグリティが最上位です。
対して日本は能力や実績で選びます。
故に、自分自身を取り繕ったり、組織の論理を優先するので不祥事が起こりますし、不祥事が起きた時の対応も他人事です。
また、リーダーとは“機能”であるので年齢で考えるのは相応しくありませんともかいてあります。
それは、名君と言われた太宗ですが唯一の失敗は後継者選びに失敗したことであり、そのことを死の間際に悔いているからです。
晩年には諫言をする臣下も失い、無謀と諫められた高句麗(朝鮮)遠征にも失敗しました。
このことも悔いています。
★成功談だけではなく、自らの失敗も包み隠さず記録しておいたことが後世のリーダーの教科書として受け継がれることになった。良いことしか言わない人は信用できませんよね?故に #貞観政要 は名著として中国歴代皇帝や日本の天皇や大名に愛読されてきたのです。
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